Tuesday, November 22, 2005

戻りたくなる場所。


気持ちが息切れし始めると、決まって戻りたくなる場所がある。
そこは、プーケット、パトンビーチのソイ・バングラ。
昼間は閑散とした廃墟といった感じの静かな街。
でも、夕陽の時間帯から、その場所の熱気は一気に加速し、どこから出てくるんだろう、と思わず首をひねるほどの人の波がやってくる。
交通量も増し、あちこちから声が降り掛かってくる。
トゥクトゥクのドライバー、ゴーゴーバーの呼び込み、ムエタイバーの呼び込み、そして闇市を思わせる、即席の路上市場の売り込み。
その喧噪といったら、昼間のことが嘘のよう。

真っ昼間の、蒼く果てしないほど透き通ったアンダマン海も、熱く白い砂浜も、抜けるような空も、眩しいほど白い雲も、じりじりと肌を焦がす太陽も、全てが愛しいけれど、それと同じぐらい、少し暗くて、猥雑なソイ・バングラの夜の街も大好きだ。

ホテルに戻って、コンビニで買ったビアシンを飲もうと、プルトップを開けつつ、窓から眼下に広がる夜のパトンビーチを見やって、ふと手を止める。
漆黒の闇と化した、空と海との境目が掻き消されたような空間の中に、ぽっかりと浮かぶ、豪華客船の灯り。そして、何より、島を象るように、金のネックレスのように連なる、夥しい数の車やバイクのライトに魅せられた。
もう限界、と思って帰ってきてしまったけど、まだまだ街はこれからなのだと思い知って、ちょっと後悔した。

そのことを思い出すたび、今度こそ、遊び倒して、パトンビーチで日の出を見てやろう、って思う。

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